ルーマニア人の友達、モニカの休暇にレンタカーを提供し、一緒にくっついて山も海もルーマニア中、一般家庭を泊まり歩いた旅。
当然すごく濃い経験になった。容量が少ないメモリに高速でデータを書き込んでいくように、オレの脳ミソには日々すごい量のデータが書き込まれていった。
しかし、それは口を開けたら自然にご飯がやってくるような感じで、いつもの一人旅の自分で考え悩み試行錯誤しながら学習を重ねるというようなものではない。添乗員付きのツアー旅行みたいだ。助手席にふんぞり返って移動しているだけだ。
しかしそんなことより、モニカのお陰で、本当に沢山のルーマニア人と接することができた。その家庭で寝泊まりし、食事を共にし、酒をかわし、遊びにも行った。
オレはルーマニアの人々の暮らしのレベルなどあまり詳しく知らないのだが、少なくても今回お世話になった方々は、家の大きさや立派さから、ルーマニアでもアッパーミドル以上の方々だったんだと思う。
ほんと敷地面積なんてオレの家の10倍以上あったもん・・・(^^;)
だからルーマニアの中でも裕福な人たちなんじゃないかって思うんだけど、ほんとみんな素晴らしい人たちだった。
特に特筆したいのは、レディーファーストだ。モニカの友達はみな50歳以上だからそのほとんどが既婚者で、結婚していなくてもガブリエルのように恋人と一緒に住んでいるなど全員がカップルだった。ガブリエルは彼女が車に乗る際は必ず先にドアを開けて、乗り込んだら閉めるし、奥さんがスーパーから買い物して戻ってきたら、すぐに荷物を持ってあげる旦那さん・・・ほんとなかなか日本の男性には出来ないことをあっさりしてしまうのは素晴らしい。ある日ある友人の庭で10人ほどでBBQパーティーをしていた時、赤ワインを飲むために全員の前にワイングラスを置いた。一人目のワイグラスにワインを注いだ後、隣はオレだったんだけど、オレには注いでくれなかった。よく見ると最初はすべて女性に注ぐのがマナーのようだった。女性のグラスがすべて注ぎ終わるとその後またオレのところまできて注いでくれた。また戻って来るのめんどくさいから順番に注いじゃお~じゃなくて、ちゃんと女性が優先なんだ~。
またそれ以外でも関心したのは、信号のない歩道にいるとほぼ100%車は止まってくれる。
枠という概念がない自由度が高い考え方なのに、しっかり社会的マナーができている白人社会というのは、GDPが世界3位だかなんだか知らないけど、そんな金持ち国より民度は高いんじゃないかって思った。
旅の前に東欧は西欧と比べるとまだまだ貧乏で社会インフラの整備も遅れている・・、みたいな記事をネットでよく目にした。
やっぱり経済発展だけで国を見るのは間違えだと学べただけ、このルーマニアで得たものは大きい。
心やさしいルーマニアのご夫婦とモニカとハグをかわし、おんぼろバスに乗り込んだ。
日差しの強い中、バスが走り出すまで見送ってくれた。またいつか会おうなモニカ!元気でな~!!
エアコンの壊れた窓が開かない蒸し風呂のような最悪のバスは、ウクライナのチェルノフツィに向けて走り出した。
さようなら~ルーマニア