救急車を呼んでも受入れ先病院が見つからず、そのまま息を引き取るなど、悲惨な状況が毎日毎日報道されている。
コロナ感染している妊婦の方が、急な出血により救急車を呼んだが受け入れ先が見つからず、お腹の赤ちゃんが助からなかった。本当に痛ましくて聴いてられない。
おおざっぱにこの状況を言えば、日本は圧倒的に私立病院が多く、感染症に対応できる施設や隔離病棟などを持っていない小さな町医者は除いて、一定規模のある私立病院でコロナ患者を受け入れている病院はなんと1割以下であるという事実。
要するに9割以上の病院は門を閉めてどんな逼迫している人々がいても見て見ぬふりをしている。(様々な諸事情があるとは思うが事実である)
よくテレビで拝見する尾身会長は公的病院の統括組織、地域医療機能推進機構(JCHO)の理事長を務める方で、JCHOの病院数は全国になんと57しかない。
どんなに公的病院が頑張っても、ほんの微々たるものなのだ。
さらに一病床当たりの医師数を他国と比較すると、日本(0.19)に対してドイツ(0.54)、米国(0.91)、英国(1.20)
つまり、ドイツでは一人の医師が2床、米国では1床、英国では0.8床を診ているところ、日本では一人の医師が5床も診ざるを得ない状況だそうだ。
私立病院というのは、つまり営利が伴わなければ成立しない。当然経営効率が求められる。その結果医師一人が見る病床数も増える。企業的な言い方をすればそれだけ効率がいいということになる。
ではなぜ日本はこういう状況に至っているのか?
その根本原因はなにか?
さらに昔、国鉄をJR化した。
要するに、国管理では経営的にダメダメだから、それ相当の規模を持つ国営組織を民間化して競争させて復活させようという意図だろう。
国がどれだけぼんくら経営者だったかということを自ら認めたことになるが、まあ無理もない。努力しないでもざっくざく税金が懐に入ってくるのだから、明日つぶれるかもしれないという民間企業に比べて、ゆるくぬるい空気が漂ってしまうのだろう。
とにかく日本は民間企業が強すぎ、国が弱すぎる。
消費税や法人税でぬくぬくし、あとの実務は民間さんよろしく~みたいな官僚や政治家を許していいのか?
オレは長年民間企業で働いてきたから余計むかつくのかもしれないが、日本には二つの国家がある。民間企業は当然資本主義社会の中で世界競争に打ち勝っていかなければいけない。食うか食われるかの熾烈な競争社会である。
国は共産主義社会。民から吸い取った税金という年貢があるから、食うか食われるかの切迫感がない。なんとなく公務員の顔がゆるく見えるのはオレの偏見か?
すでにコロナ禍で1900社以上の企業が倒産したが、国は倒産?なにそれ?って感じでしょ!!つぶれないって思って仕事している人のスタンスはそれだけで切迫感はない。
民間病院の能力は高い。
しかしコロナを受け入れると大赤字になるのだ。
日本はこの先も毎日救急車は搬送先病院が見つからず、そのままお亡くなりになる人が後を絶えないだろう。
国民の命が何より大事と言いながら、痛くもかゆくもない人は誰でしょう?
とにかくこの状況でコロナになるとリスクが高いので気を付けましょうね。