ヨーロッパの旅もとうとう6か国目、今、ルーマニアのブカレストにいる。
到着してもう二日が経過したが、昨日も今日も猛暑で35度を超える日が続いていて、毎日歩き回っているため、帰ってシャワーを浴びたらもう何もする気が起こらない。
日本はもう本格的な夏になったのだろうか・・? とにかく暑いのは苦手だ(^^;)
さて、ルーマニアの首都ブカレストの初印象だが、なんとなく暗いイメージだ。ブルガリアは明るく派手なイメージだっただけに、ベオグラードに似ていてちょっと暗い感じがした。しかしそれは悪いというのではなくなんとなく重たい感じがした。といってもまだ多くを見ているわけではないので、ほんのちょっと一部の街を見た印象に過ぎないが・・・
ブルガリアのソフィアより人口は大都市であるが、街全体が重厚で暗いイメージだ。
ちょっと街はずれになると、道路もあれてゴミも散乱したりしている。スラムっぽい感じの住居があって、ガラの悪そうなお兄さんが沢山たむろしていたが、ちょっとカメラを向ける勇気はなかった・(^^;) 昼間は極端に治安が悪いという印象はないが、少し用心した方がいいとは思った。
もう一つ負の遺産として・・・第二次大戦以降、ルーマニアはソビエト連邦の支配下となり、その後チャウシェスクの独裁政権が24年間続いた。しかし1989年に起こったルーマニア革命で、チャウシェスクとその妻のエレナは公開処刑されるという歴史がある。
時代背景は異なるがマリーアントワネットを思い出した。国民が貧しい中で贅沢三昧をして生きている貴族に不満が募り、最終的に処刑してしまうというストーリー。ちょっと自分の中でかぶってしまった。
その独裁者チャウシェスクが作ったという「国民の館」を見学にいった。ここは個人で自由に見ることは許されず、ガイドと一緒に回るグループツアーだけが唯一内部を見学できる方法だ。約1000円のチケットを購入し、飛行機なみの荷物検査を行った後に内部に入れる。世界でアメリカのペンタゴンに次ぐ第二の大きさを誇る巨大な建物で、しかも相当に贅沢な材料で作られている。これは歴史的な古い建築物ではない。1984年に着工し1997年に完成した比較的新しい建物だ。
着いたはいいが、エントランスが逆側とのことで、そこまで行くだけで相当歩く(笑)
「大きいことはいいことだ~♪」というCMを覚えてい人!おめでとうございます!同世代です~(笑)
床はすべて大理石、カーペットはすべて一枚物をこの建物内で作成。超長いカーテンは最高のシルク・・・シャンデリアはクリスタルとまあお金が掛かってること掛かってること~(^^;)
この部屋を貸し切って、あのコマネチが結婚披露宴をしたんだって!! いったいいくらしたんだろ~(^^;)
中央のバルコニーから見下ろすとこういう壮大な景色が開ける。これもチャウシェスクがパリのシャンゼリゼ通りをイメージして、この国民の館だけではなく周りの街すべてを設計したとのこと。さすが独裁者はやることが大きい。
しかし、独裁者=悪と決めつけるのはそうとも限らない。もちろんヒットラーのような悪い独裁者もいるが、このチャウシェスクは実はルーマニアではすべて悪い人という評価ではない。国民に意識調査してその6割がチャウシェスクの時代の方が今よりましだったと答えている。ルーマニア革命はチャウシェスク反対派のクーデターという評価もある。最後は夫婦ともども銃殺刑となってしまったが、今一度、当時の力関係など含めて再評価されようとしている。
ルーマニア。日本ではあまり観光地としてメジャーでもなく、コマネチとドラキュラとチャウシェスクくらいしか浮かばない国だが、東ヨーロッパで陽気なラテン系の国としてもっと今後注目していい国かもしれない。